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わたしの大好きなバンド“ラディアン”のドラマー、マーティン・ブランドルマイヤーに、最高の即興演奏家、トランペットのアクセル・ドゥナー、サインウェイヴのSachiko Mの2人を加えカルテットを組んだのは2005年の秋。直接の切っ掛けは、現代音楽の老舗ドイツ南西放送から「今あなたの一番やりたいメンバーであたらしいユニットを組んでドナウエッシンゲン 現代音楽祭に出演してほしい……」という依頼でした。実際はその1年ほど前からこのメンバーでの構想はあって、とはいえどうやってこのメンバーが集まればいいか……なんて思っていたときに、この依頼は、渡りに船だったわけです。
これを切っ掛けに昨年は欧州数カ国をツアー、現在はファースト・アルバムを制作中。とまあ順調にことが運んでいるように見えますが、ヨーロッパではじめたプロジェクトを日本に持ってくることがいつも出来ない……というのがわたしの悩みの種でした。で、今回も結局はヨーロッパだけの活動になるのかなと、なかばあきらめていたのですが、山口市のYCAMでやるわたしの大規模展示『Ensembles』の中の作品に参加するためにアクセルが来日、マーティンのほうもKapital Band Iで同時期に来日……って、あなた、このチャンスを逃す手はありません。
というわけで、わたしが今最も力をいれているライブ・プロジェクトでもあるこのカルテットの日本公演、なんと実現することになりました。嬉しい! めちゃくちゃ嬉しい!
アコースティックとエレクトロ二クスの両方を大胆に使いながら従来のようなP.A.を使わずに即興演奏する非常にユニークな音楽です。かつ従来の即興演奏のもつアブストラクトなものとは異なる、ある種のビート・ミュージックという解釈が可能な音楽でもあります。と言葉で説明すると、なんだか虚しくなるなあ。とにもかくにも、 ぜひぜひ会場で、生で聴いてみてください。これがまずは最初のセット。
そしてもうひとつのセットは、カルテットとONJOの共演です。もちろん、ただの共演ではありません。3月にはアクセルやマッツ・グスタフソンをむかえたONJOが欧州ツアーを敢行します。このツアーで練られた演奏のアイディアをもとに、ONJOとカルテット、2つの異なる音楽が複雑に絡み合うセットを同時にやりたくなってしまったのです。
そう思い出すともう止まらない。カルテットでやってることと、ONJOがやってきてることが、クロスするようなコンサート。いやクロスなんていわずに、同時に2つの中心点がぐるぐると入れ替わりながら複雑な軌道を描くようなコンサート。それ以降オレの頭の中では、2つの中心をもつ円、楕円がぐるぐるしだしているのです。豊かな発想の源たる楕円がオレのかぼちゃ頭に誘惑を仕掛けてくるのです。
こんなこと言い出すこと自体、妄想なのは充分わかっておりますです。でもあまりに魅力的な妄想じゃありませんか。そんなわけで、理屈はどうあれ、もうやるのだ。やりたい! で、実際のセッティングも2つの中心をもった大きな楕円形にします。妄想と現実、なんだか入り乱れてまいりましたが、こちらのほうもどうかお楽しみに。……ってか、誰よりも楽しみにしてるのはわたしです。
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